UnityにおけるMediapipeの実装方法 | RyuRyuKun

UnityにおけるMediapipeの実装方法

作成: RyuRyuKun

概要

Unityは、ゲームやインタラクティブなアプリケーションを開発するための強力なプラットフォームです。一方、Mediapipeは、Googleが提供するオープンソースのコンピュータビジョンライブラリで、ハンドトラッキングやフェイシャルトラッキングなど、様々な高度なビジョンタスクを簡単に実装できるツールです。

本記事では、UnityでMediapipeを実装する手順を、詳細に解説します。特に、初心者でも理解できるように具体的なコードやプロジェクト設定についても触れていきます。

Mediapipeとは何か?

Mediapipeは、画像処理や機械学習のワークフローを効率的に構築するためのライブラリです。リアルタイムな手の動き、顔の表情、物体の検出など、複雑なビジョンタスクを簡単に実装するためのビルディングブロックを提供します。

  • ハンドトラッキング: 手や指の動きを検出し、ARゲームやジェスチャー操作アプリに利用可能。
  • フェイシャルトラッキング: 顔のランドマークを捉え、表情の認識やフェイスフィルターに応用。
  • ポーズ推定: 人間の全身の姿勢をリアルタイムに追跡。

Unityとの統合によって、これらの機能をゲームやアプリケーションに簡単に取り入れることが可能です。

UnityでのMediapipeのセットアップ方法

それでは、UnityでMediapipeを実装するためのセットアップ手順を見ていきましょう。今回は、MediapipeのハンドトラッキングをUnityで動作させる例を使って解説します。

1. MediapipeとUnity環境の準備

まず最初に、UnityとMediapipeを組み合わせて動作させるためには、いくつかの準備が必要です。以下の手順を行ってください:

  1. Unityの最新版をインストールします。
  2. Mediapipe Unity PluginをGitHubから取得します。このプラグインは、MediapipeとUnityを統合するための便利なツールです。
  3. Git LFS (Large File Storage) をインストールして、Mediapipeのリポジトリをクローンします。

2. プロジェクトのセットアップ

次に、Unityのプロジェクトを設定していきます。手順は以下の通りです:

  1. Unityを開き、新しいプロジェクトを作成します。
  2. プロジェクトにMediapipe Unity Pluginのフォルダをインポートします。
  3. 「SampleScene」を開き、Mediapipeのサンプルを確認します。このシーンには、すでに設定されたハンドトラッキング機能が含まれています。
  4. ビルド設定を行い、プラットフォーム(Windows, Mac, Android, iOSなど)に合わせて設定を変更します。

3. Mediapipeを利用したハンドトラッキングの実装

サンプルシーンを基に、自分のプロジェクトにハンドトラッキング機能を追加します。必要な設定はすでに行われているため、シーン上でカメラを設置し、スクリプトを調整するだけで動作します。

コード例: ハンドトラッキングを実装するスクリプト


// HandTracking.cs
using UnityEngine;
using Mediapipe.Unity.HandTracking;

public class HandTracking : MonoBehaviour
{
    private HandTrackingGraph graph;

    void Start()
    {
        graph = new HandTrackingGraph();
        graph.StartRun();
    }

    void Update()
    {
        if (graph.IsRunning)
        {
            var handLandmarks = graph.GetHandLandmarks();
            if (handLandmarks != null)
            {
                // 手のランドマークを取得して処理
            }
        }
    }

    private void OnDestroy()
    {
        graph.Stop();
    }
}
        

このコードは、Mediapipeのハンドトラッキング機能をUnity上で利用する基本的な例です。`Start`メソッドでMediapipeのグラフを起動し、`Update`メソッドで手のランドマークを取得して処理しています。

Mediapipeの活用例

Mediapipeの機能を利用することで、以下のようなさまざまなアプリケーションやゲームを開発できます:

  • ジェスチャーコントロールのゲーム: プレイヤーが手の動きだけで操作するゲーム。
  • 顔認識フィルター: Snapchatのようなフェイスフィルター機能を追加したアプリ。
  • インタラクティブなARアプリケーション: AR環境内で、ユーザーの手の動きをリアルタイムに追跡し、インタラクションを行うアプリ。

まとめ

UnityでMediapipeを実装することで、ゲームやアプリに高度なコンピュータビジョン機能を追加することが可能です。本記事では、MediapipeのハンドトラッキングをUnityで利用するための基本的なセットアップと実装方法について解説しました。今後の開発に役立ててください!

他にもMediapipeの多くの機能(フェイシャルトラッキング、ポーズ推定など)をUnityで活用できますので、ぜひ他のサンプルも試してみてください。

© 2024 RyuRyuKun. All rights reserved.

コメント

このブログの人気の投稿

空白文字をコピーする

空白文字の打ち方